今治市大三島美術館の40周年特別記念展「ごえん」へ|ジュリアン・シニョレの作品と同時開催されたワークショップを体験

今回は大三島美術館で開催された

開館40周年記念の特別記念展ジュリアン・シニョレ「ごえん」と、

企画展から得たインスピレーションをもとに、

参加者が自由に作品を表現するワークショップについてご紹介。

ごえんのワークショップのチラシ

ただただ作品を見るだけではなく、

ジュリアン・シニョレさん(以下ジュリアン氏と記載)の想いや、

作品と作品がつながっていく展示空間を通して、

参加者それぞれの表現が最後には一つにつながっていくワークショップは

とても素敵なイベントになっていましたので、

みなさんにもその魅力をお伝えしていきますね!

観覧チケットの画像


島との出会い、人との出会い、作品との出会い。ジュリアン・シニョレの“ごえん“の起源

大三島美術館で開催されている40周年特別記念展“ごえん“。

この“ごえん“というタイトルは、

展覧会の企画を進める中でテーマを考えていたジュリアン氏に、

大三島美術館の学芸員が提案した言葉から生まれたとのことでした。

シニョレ氏が説明する様子

しかしこの“ごえん“が表しているのは、

今回の展覧会だけで生まれたつながりだけではないとジュリアン氏は話します。

ジュリアン氏が2024年に息子のガブリエルさんと大三島を訪れたことから生まれた、

大三島という島とのつながり。

島で出会った人たちとのつながり。

そして、島にある素材とのつながり。

ワークショップで話す様子

このようないくつもの“ごえん“が重なり合い、

今回の展覧会へとつながってるというのだから驚きです。

「過去に遡った作品たちから、現在も生き続けている作品たちと共に、

皆さんにもつながりを持ってほしい」

そんなジュリアン氏の想いが込められた“ごえん“。

実際に会場を巡ってみると、“ごえん“という言葉が単なる展覧会のタイトルではなく、

それぞれの作品や展示空間そのものにつながっていることが見えてきます。

ジュリアン氏の作品への想いと、「現代の枯山水」をイメージした新しい価値観

まずはジュリアンさんから作品への想いを聞きながら、

パリにある作品を映像で鑑賞会を実施。

映像のプロとジュリアン氏が織りなす独自の世界観に

参加者たちは釘付けとなっていました。

動画説明会の様子

鑑賞会が終了した後は実際の展示会場へ。

会場に入った参加者たちを迎えたのは、「現代の枯山水」をイメージした空間。

自由な体勢で観覧している光景

椅子に座ってゆっくり眺めてもいい。

少し離れた場所から見てもいい。

もちろん、場所を移動しながら違う角度から見てもいい。

「まるで庭を見るように作品を眺めてほしい。 」

そう優しく話すジュリアン氏。

作品に対する情報がない中、参加者たちは自身の好きな姿勢で作品に想いを馳せます。

美術館での観覧会の様子

展示会全体を一つの空間として鑑賞。”ごえん”ならではの楽しみ方

美術館というと、一つひとつの作品を正面から順番に見ていくイメージがあるもの。

ですが、この展示には決まった鑑賞方法が無いことが特徴的です。

一つの作品の前に立って鑑賞するのではなく、

展示会場全体を一つの空間として感じてみる。

美術館での観覧会の様子2

そして作品を「見る」だけでなく、

”空間そのものを感じる”という新しい美術の楽しみ方を知ることができます。

ジュリアンさんが作品について説明する様子

「ごえん」を楽しむ時間は、そんな自由な作品鑑賞から始まりました。

館内に展示された石の作品

「作品を通して表現したのは、

何もない”無”の状態からアイデアが生まれ、自分で考え、一歩を踏み出すこと。

そして、人と出会い、協力しながら成長していく姿です。

石の作品のアップ画像

さらに中には素材が本来持っている自然な姿を残した部分と、

人の手によって加工された部分を共存させました。

異なるものをあえて一緒にすることで、

それぞれの違いを残しながら、一つのハーモニー=”調和”が生まれるのです。」

ジュリアン氏は作品を観覧する参加者たちに語りかけます。

展示された石の作品

こういったストーリー性を考慮した上で作品を再度見てみると、

「あの3人家族が並んでいる木像のうち、こどもだけが違う方向を見ているのはどういった意味があるのだろう。 」

と想像を働かせる楽しみが生まれたことにより、

参加者たちは自分たちなりの観点を持って

ゆっくりとした時間を過ごしていました。

館内に展示された木の作品

正解はいらない。一人ひとりがアーティストになれるワークショップ体験

企画展を自由に鑑賞し、ジュリアンさんから作品に込められた想いを聞いた後は

いよいよワークショップへと移行。

ワークショップに参加者が取り掛かる光景

「”何をすればいいのか分からない”そんな状態から始まってもいい。

正解を探す必要もありません。

作品をじっくり見て、自分の中を一度「からっぽ」にする。

そして、そこから生まれてきたものを自由に表現していきます。

同じものを見ても、生まれる作品はみんな違う。 」

参加者たちはジュリアン氏の言葉を胸に作品の制作に取り掛かりました。

パリの樹木園に残された“ごえん“を題材に、絵の具を使って作品を仕上げていく今回のワークショップ。

一体どんな作品が出来上がるのか、今から楽しみです。

ワークショップで使用するサンプル品

準備された絵の具を各自が自分らしく自由に塗布している光景は、

年齢や性別の違いを感じさせず、

ワークショップに取り掛かる女性

こどもから大人までが同じ空間で、それぞれの感覚を大切にしながら作品づくりに

夢中になっている姿が印象的でした。

ワークショップに取り掛かるこども

それぞれの作品が繋がり、一つの大きな”ごえん”へ

完成した作品たちは会場の中央に設置された、

ジュリアン・シニョレさんと作家・村上かなえさんによる合作の周囲に展示されます。

ジュリアン氏との合作

全員の作品を集めて一つの大きな作品へと昇華されている光景は圧巻の一言。

自分で考え、自由に作品を作ることで違う作品が生まれ、

そして最後に人と人の作品がつながり、一つの新しいものになる。

全員の作品を並べた様子

企画展で見てきた、

「何もないところからアイデアを生み出し、想像し、人と協力することで新しいものが生まれる」

という“ごえん“そのものが表現されているように感じられる。

そんな素敵なワークショップとなっていました。

全員の作品を上から見た図

ワークショップは8月15日のみの開催となっていますので、

既に新しく申し込むことは残念ながらできません。

ですが、作品を観覧することができる企画展は9月23日まで開催されていますので

ぜひ現地に足を運んで会場全体を一つの「空間」として眺めてみてください。

見る場所や角度によって、

また違った作品の

表情が見えてくるかもしれません。

そして、自分なりの「ごえん」を本企画展で感じてみてはいかがでしょうか。

大三島美術館の公式ホームページはこちら

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